Google ドライブに Markdown でノートを書く
ノートアプリを乗り換えたことのある人は知っています。大変なのは移ること自体ではなく、移せる形で外に持ち出すことだと。
エクスポートボタンを押すと zip がひとつ落ちてきます。展開してみると、フォルダ構造は崩れ、ファイル名の後ろには32桁のIDが付き、画像の相対パスは切れ、表はHTMLの塊に変わっています。間違いなく自分の文章なのに、自分が読める形ではありません。
原因は単純です。文章がファイルではなく、他人のデータベースの1行(row)として保存されているからです。エクスポートはその行をファイルらしく見せる変換機能にすぎず、変換には必ず損失があります。
逆をやればいい
はじめから文章をファイルとして保存すればいいのです。しかも、すでに自分が使っている保管場所に。
- 形式は Markdown(.md) — 30年後でもメモ帳で開けます。見出しは
#、太字は**、箇条書きは-。書式が本文の中に文字として入っているので、パーサーがなくても読めます。 - 場所は自分の Google ドライブ — 同期、バックアップ、バージョン履歴、検索、共有はすでに揃っています。ノートアプリが同じ機能を作り直す理由がありません。
こうすると「エクスポート」という工程が消えます。すでに外に出ている状態だからです。
実際に何が変わるのか
サービスが消えても文章は残ります。 ノートアプリの終了は珍しくありません。Google Notebook、Springpad、Catch、Wunderlist、そして Evernote の何度かの体制変更まで。文章が自分のドライブの .md ファイルなら、サービス終了はアプリをひとつ削除するだけの話になります。
他のツールと併用できます。 同じフォルダを Obsidian で開き、VS Code で編集し、スクリプトで一括置換し、git に入れることもできます。ひとつのアプリが何もかも得意である必要がなくなります。
サブスクを強制されません。 端末間の同期が有料機能になる構造は、ファイルがその会社のサーバーにしか無いから成り立ちます。ファイルが自分のドライブにあるなら、同期はすでに終わっています。
バックアップを別に考えなくて済みます。 ドライブのゴミ箱とバージョン履歴がそのまま効きます。
短所もはっきりしています
正直に書きます。
- リレーショナルな機能がありません。 Notion のデータベースビュー、ロールアップ、フィルタのようなものは、ファイル方式では真似ごとしかできません。その構造が仕事の中心なら、この方法は向きません。
- 同時編集に弱いです。 Google ドキュメントのように複数人が同じ段落を同時に直す作業には不向きです。
- 検索はサービス型ほど速くありません。 ファイル数が数千を超えると差を感じます。
ノートが文章ならファイルが、ノートがデータならデータベースが向いています。個人の記録はたいてい前者です。
Fenex はこれをそのままやります
Fenexは、この方法だけのために作ったノートアプリです。
- ブラウザで開いて Google ドライブを連携します。アカウントを新しく作りません。
- 書くと、自分のドライブに
.mdファイルとして保存されます。ファイル名はタイトルそのままです。 - スマホで同じアドレスを開けば同じ文章が見えます。ホーム画面に追加すればアプリのように使えます。
- 気に入らなければ使わなければいいだけです。ファイルはドライブに残ります。
サーバーには何も保存しません。文章はブラウザと自分のドライブの間だけを行き来します。ログイン状態を保つためのトークンさえ暗号化してブラウザのCookieに返し、サーバーには残しません。
いま試せること
ドライブにフォルダをひとつ作り、.md ファイルを1つ置いてみるところからです。テキストエディタで十分です。そのあとで、使いやすいツールを選べば大丈夫です。
そのツールが Fenex でも、そうでなくても構いません。大切なのは、文章が自分のファイルとして残ることです。